Notion Labs Japan合同会社(所在地:東京都)は、慶應義塾(所在地:東京都港区、塾長:伊藤 公平)と2026年2月に締結した包括的連携覚書(以下、MOU)に基づき、慶應義塾が掲げる「AIキャンパス構想」の共通基盤としてNotionの全学展開を共同で始動したことを発表します。両者は合同チームを編成し、基盤の設計から研修、教職員ポータルの構築までを一体となって取り組んでいます。2026年5月に非常勤を含む全教職員(約11,000名)へ利用環境を展開し、直近90日間で2千名超が業務でNotionを利用、うち約8割がNotion AIを利用しました。人とAIが協働するAIネイティブな大学運営への転換が始まっています。

■ これまでの取り組みと成果
1. 全教職員への展開と研修の実施
2026年5月27日、全教職員へNotionの利用環境を展開しました。全キャンパスの教職員を対象に、オンラインと対面を組み合わせた習熟度別の研修を実施し、のべ千名以上が参加しました。研修の内容は、Notionの導入支援チームと慶應義塾の担当者が共同で設計しています。
2. 利用者の約8割がAIを活用
2026年8月時点の直近90日間で、2千名以上が業務でNotionを利用し、そのうち約8割がNotion AIを利用しました。AI機能の実行回数は同期間で25万回を超えています。「何人に配ったか」ではなく「使い始めた人がAIの活用まで到達しているか」を重視してきた設計が、この比率に表れています。
3. 「使える」から「業務で使う」へ
実務適用段階の研修では、参加者の9割以上が自分の業務に合わせた仕組みを自ら作成し、8割以上が実際の業務での活用イメージを持てたと回答しました。議事録の作成、情報の横断検索、ナレッジ・マニュアル整備、タスク管理が主な用途です。
■ 両者の協働体制:ツールの提供ではなく、合同チームによる共同構築
本取り組みは、ソフトウェアを提供して導入を委ねる関係ではありません。慶應義塾の担当者と、Notionの導入支援チーム(プロフェッショナルサービス)が合同チームを編成し、定例的に方針をすり合わせながら、基盤の設計、研修プログラムの共同開発、部門への展開支援を進めてきました。教職員ポータルの構築も、同チームの協力を得て、情報構造の設計、既存システムからの移行方針、AIが参照しやすい形での知識整備を共同で検討しています。
国内の大学で前例が限られる領域であるため、慶應義塾が持つ大学運営の実務知識と、Notionが国内外の導入支援で蓄積した実装知見を突き合わせ、設計と検証を繰り返しながらプロジェクトを推進しています。
■ 背景:人とAIの協働は、知の集約から始まる
大学には、規程、文書、研究記録といった膨大な知が蓄積されています。しかしそれらが個人の手元や部署ごとのシステムに分散したままでは、AIには参照できる組織の文脈がありません。AI活用の焦点は、人とAIが同じ情報を見て協働する環境を整備できるかにかかっています。
慶應義塾は、AIを個人のツールとして配るだけではなく、168年にわたり蓄積してきた知的資産と日々の業務情報をNotionに集約し、AIが参照できる「信頼できるコンテキスト」を組織として整えるという順序を選びました。「世界最高峰のAIキャンパス」を3年以内に形作るという目標に対し、その足場を、教育・研究を支える大学運営そのものから築く取り組みです。
■ 今後の展開
2026年度下期:部門・プロジェクト単位で共同利用できる環境(チームスペース)を順次提供します。
年内をめど:Notionのプロフェッショナルサービスの協力を得ながら、教職員ポータルをNotion上へ移行し、学内のニュース、ナレッジ、規程、手続きを集約します。
学生向け:学びや創造の場におけるAI活用も段階的に検討し、AIの責任ある活用と実践知の醸成を図っていきます。
あわせて両者は、MOUに掲げた「成果・ベストプラクティスの国内外への共有」に基づき、この共同構築で得られた運用ノウハウや公開可能なテンプレート等を、国内外の教育機関へ発信していきます。
慶應義塾は、AIを単なる効率化の手段としてではなく、教職員・学生・研究者が知識を共有し、新たな価値を生み出すための知的基盤として位置付けています。Notionとの協働を通じて、必要な情報により速く、自然にたどり着き、組織の知見を次の活動へつなげられる環境を構築していきます。

伊藤 公平
学校法人慶應義塾 塾長
慶應義塾は、ナレッジ、協働、AI活用を一体として捉え、教育・研究機関における新しい業務基盤づくりに取り組んでいます。Notionは、慶應義塾が安全で柔軟な運用を実現しながら、教職員の皆さまが日々の業務でAIの価値を実感できるよう、引き続き支援してまいります。

西 勝清
ゼネラルマネジャー アジア太平洋地域担当
